初めての海外旅行
僕の初めての海外旅行は1989年3月から4月にかけて、2週間のドイツ旅行だった。その時はまだベルリンの壁が崩壊する半年前で、成田からアエロフロートを利用して、モスクワ経由で東ベルリンのシェーネフェルト空港に夜9時過ぎに着いた。42歳で初めての海外体験だった。
到着後バスで、神学者ボンヘッファーの名を冠した宿泊先ボンヘッファーハウスに着いたのは随分夜遅くだったけれども、多くの建物がライトアップされていて、街全体が美術館の様に思われた。ヨーロッパの石造りの重厚な街並みが非常に印象的だった。
4階か5階の部屋に泊まり、翌朝5時くらいから起きて街をながめた。道路の向かい側は確かフンボルト大学と言ったと思う。(このボンヘッファーハウスは、半年後のベルリンの壁が崩壊するにいたるプロセスで、キリスト教会の指導者達の会合の場所として使われ、何度かテレビのニュースにも登場して、旅行の時を思い出すことになった。)朝、5時頃に道路を見下ろすと、コツコツと靴の音を響かせて仕事へ出かけるのであろう人たちが見え、朝早くに動き出す街なんだなあと思ったことが印象深く思い出される。
着いた翌日の午前中に東ドイツの教会の指導者から、「外では言えないけれど、このままでは経済的に破綻すると思われる」という話しを聞かされ、この国の直面している切迫した状況を思わせられた。
この後、ベルリンからマイセン、ドレスデン、エルフルト、ワルトブルグ、アイゼナッハ、ワイマール等々を旅し、西ドイツのブラウンシュバイクに寄って、ハノーバーからハンブルグ経由で帰国した。破綻直前の東ドイツのイースターの時期に見聞したことは忘れられない体験となった。
2006年3月にこれとほぼ同じような行程で二度目のドイツ旅行をした。エルフルトも随分かわっていた。最初のドイツ旅行についてまたボチボチ書いていこうと思う。
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