先日、大阪を日帰りした。地下鉄に乗って車内に「ちかんは犯罪です」というステッカーが貼ってあるのを見て、だんだん大阪らしさが消えていく思いで、複雑な気分になった。
これは以前、「チカンはあかん」というステッカーに多くの批判が寄せられ、これを「チカンはあかんで、犯罪やで」と書き変えたけれども、これにも批判が寄せられているということを聞いたけれど、結局東京と同じ言葉のステッカーになったようだ。
車内ステッカーでは、「指づめ注意」というのも、ボクなんかは昔から馴れ親しんだステッカーだったけれど、なぜか「アウトローの人達の事を連想する」と多くの旅行者から批判があって、今では「指にご注意」等となっている。指摘されて初めて、えっ?と思わせられることで、どんどん東京風に標準化されることに何か嫌な気分にさせられる。
今はどうなっているか知らないけれど、週間誌に東京の上野動物園と大阪の天王寺動物園との注意書きの比較が写真付きで掲載されていて、それは「この○○は…で、季節によって危険なので近寄らないで下さい」という趣旨の注意書きが、近寄らないと良く読めない大きさで書かれている上野動物園の注意書きと、天王寺動物園のは同じ動物の前に、大きな看板にただ「かみます!」とだけ書いてあったという記事だった。小学生が動物を調べるためには上野動物園の掲示が役に立つけれど、危険回避という目的なら天王寺動物園の方だろう。でもそれだけではなくて、東京的なものと大阪的なものがそこにはあって、そして東京的なものがどんどん全国を制覇し、変わったことを許せない人達が苦情を持ち込んで無難な東京的なものへの変更が加速しているようだ。
何年ぶりかで福岡県の直方に来て、ふとこんなことを思う。
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