俳優の藤田まことさんが亡くなった。動脈瘤破裂だったという。
コメディアンとして、喜劇役者として、俳優として、多くの人に親しまれた人だったと思う。以前、『最期』という本を読み、多彩な彼の独特な世界を垣間見て、心ひかれたことを思い出す。
僕が中学生だった頃(だと思うが定かではない)、姉に連れてもらって大阪市内で映画を観たが(観たはずの映画そのものは覚えていない)、その時、映画の始まる前に(これもはっきりしない。2本立ての映画の途中だったかも知れない)、突然藤田まことが出てきて、「七ふく」という名前の便秘薬のコマーシャルを撮影するという事があった!!! 本当だろうか? でも僕の記憶では確かにあった。「効~いてきた!」という決め台詞があった様に思うのだが…。
我が家にテレビがやって来たのは中学一年生の時だったので、1959(昭和34)年?だったように思うのだけれど…、「てなもんや三度笠」は毎週欠かさずに観たように思う。白木みのる、財津一郎他の個性的な人達と藤田まことの創り出す独特の世界を、関西風笑いの世界を、「そんなあほな!」と突っ込みを入れながら楽しんでいたのだと思う。(ネットでみると、「てなもんや三度笠」は1962年以降に放映されたらしいので、この時、僕は高校生になっていた! このあたりの記憶は不正確!)
人が亡くなるということは、その人の持っている才能の全てが一緒に消えていくことで、いつも同じような感慨…残念で仕方がないという…に襲われる。誰もが通る現実を受け入れざるを得ないのだけれど…。思春期の頃から、青年期・壮年期と、ずっと後になって読んだ岸本英夫の『死を見つめる心』に記された著者の不安な心境に非常に親近感を覚えつつ、いつの日か達観できる日が来ることを願いつつ、藤田まことさんのご冥福を祈りたい。合掌
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