☆ 8人の人達と一緒に韓国を訪問した。今回は3泊4日という短い旅であったが、充実した4日を過ごすことができた。その中で、西大門刑務所歴史館が大きく変貌していたことに驚かされた。
☆ この歴史館にはこれまでにも何度か訪ねているのだが、今回の驚きは、展示が「帝国主義日本」による朝鮮民族への過酷な弾圧の歴史を中心にしたものから、戦後の民主運動家への弾圧の歴史にも多くのスペースを割くものへと変化していたことである。特に拷問場面の展示は一点のみに減らされていたことや、最初に見せられる映像による歴史の紹介も、かなりの時間を民主運動家への弾圧の歴史に割かれていた。現在の韓国が国家として成熟し、過去の歴史への視点にも「豊かな国」の一員としての度量を垣間見せられたように思う。 ガイドさんによると、残酷な場面の展示への批判が強く、それに応える形で変更になったということであった。 私が1989年の春に旧東ドイツのワイマール近郊にあるブッヘンバルト強制収容所跡を訪ねた時に、自国の過去の負の遺産を展示し、子ども達の教育材料としてこれを活用している様子を垣間見た時に一部共通するものを感じた。 被害の歴史を展示するだけではなく、加害の歴史を展示する意味を考えてみる必要があると思う。 特に私たちの過去の負の歴史を私たち自身が展示して、「二度と理不尽な加害者にはならない」という決意を、憲法の文言だけでなく、目に見える形で示す必要があるように思えてならない。
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