☆ 小林よしのりという人の書く本は、タイトルからしてあまり読む気がせず、今まではずっと敬遠していた。ところが、先日久しぶりに夜の散歩に出かけ、片道約2500歩の所にある本屋にゴール(笑)をして、汗だくになって立ち読みをしていて、小林よしのり著『脱原発論』という分厚い本を手に取り、買ってしまった。本の帯に「原発をなくせば経済成長できる!」「倫理と豊かさは両立する!」と書かれていて、僕の心を刺激した。中身は渾身の実証主義的レポートであり、必読の一冊だと思った。福島第一原発の近くに出かけ、あまりにも高い放射線量に驚き、どうしてここで子どもたちに日常生活を送らせているのか、写真混じりの漫画と文章に戦慄を覚えるし、九州で取り組まれている自然エネルギーの開発の最先端のレポートも、わずかながら希望を抱かせるものだった。 「とんでも科学」の一つ一つをきちんと否定し、産経新聞グループとそこに集まる「とんでも文化人」達の発言をきちんと論駁する文章は爽快ですらある。
☆ この時、岩波現代文庫『高木仁三郎セレクション』も一緒に買った。 僕は高木仁三郎という人の仕事に大いに期待していたし、この大地震の後まで本当に生きていてほしかった人の代表だと思う。 (こういう人が早く亡くなり、日中関係が険悪になるきっかけを作ったI原などという人物が長生きして、全く反省の弁もなく、害毒を撒き散らしている(+_+)) 価値中立的な科学は極く限られた領域では成り立つが、多くの科学はそうではないということ、自分の人生をかけて市井の科学者として必死に生き抜かれたことにただただ脱帽である。 氏の原発への警告のようなまともな議論がどうしてこの国では主流にならないのか、本当に倫理性のない、金まみれの、いったんこのサイクルにはまり込んだら抜け出せない原発の怖さを痛感させられる。
☆ 福島の子どもたちは、戦時中のように集団疎開すべきなのではないか。すべきだったのではないか! 今からでも遅くないのではないかと思う。戦時中にできたのに、戦時中だからできた? 少なくとも移住を選ぶ子どもや家族をきちんと支援し、データを正確に公開してほしいと思う。
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