私は数年前に米国ミネソタ州のミネアポリスを訪ねた際に、たまたま時間が空いたので、二日続けてツインズの試合を観戦した。確か、一日目はデビルレイズと、二日目はタイガースとの試合だった。それまで、私は、「大リーグのお客は、日本のように大騒ぎをするために球場に来るのではなく、純粋に野球を楽しみに来るんですよ」という識者の声を信じていて、「へー、そういうものか」と思っていた。ところが、行ってみたら大違いだった。日本のように応援団が仕切るという形ではないが、とにかくお祭り騒ぎの大騒ぎで、攻撃と守備が変わる毎にマスコットが出てきたり、客席に向かってTシャツや、何やらの景品を打ち込んだり、スクリーンでクイズを流したり、その間に、妙に選手達だけが静かに淡々と試合をするという雰囲気で、私の直ぐ横に飛んできたファールボールを、あらかじめ持参したグラブで捕球した大男には抱きつかれる始末で、(一瞬息が出来なくなった!)「純粋に野球を楽しむ」等という雰囲気ではまるでなかった。どちらが良いというものではなく、文化の違いを痛感した。
「米国では、試合前に必ず国家を歌うのに、日本では何故やらないの」という声も聴いていたが(最近君が代を流す球場も増えてきてビックリだが…)、だってMLBはまさに多国籍の人たちが野球をやっているのであって、国歌を歌うことによって「これは米国のMLBですよ」と、毎回確認作業をする必要があるからやっていることで、それと日本と同じように言うことにホント不快感を覚える。「米国では、教室にだって、どこへ行っても星条旗がはためいているのに、日本では…」と言われるのも、これは米国は多民族国家であり、常に「We are Americans」と言い続けて、国民としてのアイデンティティを確認する作業が不可欠であるからやっていることで、それが国旗であり、国歌なのだと思う。日本とはおよそ前提が異なることを思う。
話はそれたが、この頃NHKはやたらとMLBの中継をする。どれくらいお金をかけているのかわからないが…。先日ラジオで永六輔氏が、「MLBの中継を観ているとやたらに彼らがグランドに唾を吐く」ということを言っていた。本当にそうだ。ロッテのバレンタイン監督はなかなか良い監督なのだろうと思うが、中継で映る時を見ていると、ほとんど30秒間隔で唾を吐いている。これだけは私にも受け入れられない。ガムを噛むことも、何か、噛みたばこ? あるいは何かの種? いろんなものを口に入れて、ぺっぺと吐き続けて、ベンチの中はゴミだらけ! こればかりはどうにも文化の違いを痛感する。
いずれにしても、大騒ぎはポートランドで観たNBAと同じで、純粋にゲームを楽しむだけではなく、公然と大騒ぎをしてストレスを発散している光景は日本と変わらない! 応援団はないけれど、スクリーンで要求される手拍子を皆で合わせる姿などは「同じだ」と思った。
文化の違いについては別途
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