アフガニスタンで1984年から活動を続けてきたペシャワール会のメンバーだった伊藤和也さんが、拉致され殺害されたというニュースは、本当に気持ちを萎えさせる出来事だった。伊藤さんは僕の年齢の半分にしかならない若さで殺されてしまった!!! ご本人の“その時”の恐怖と無念さを思うと、本当に言葉がない。…。 僕と同じ世代のご両親がカメラの前で気丈に発言されるご様子にも頭が下がる。 現地の人々の間に溶け込み、価値ある活動を続けてこられた会の活動も、いったんは休止せざるを得ない状況に追い込まれているそうだ。代表の中村哲医師(何と僕と同じ生年!)のお気持ちのことを思うと、ただただやりきれない気分にさせられる。 アフガニスタンのNGO活動がここまで追い込まれていく事情をどう考えたら良いのだろう。
元々アフガニスタンでは多くの日本のNGOが活動しており、現地の人々から信頼を得ている団体が多かったと聞いている。それが活動できなくなった事情は、日本の政治・政策の方向の結果と私には思えて仕方がない。9.11以降の米国の“対テロ”戦略の流れに日本も乗って、米国に同調する政策を鮮明にした結果、現地で地道な活動を続けていたNGOが活動できなくなったのだと思う。 また、9.11が様々な政策のスタートのように言われるが、9.11は米国の政策の失敗の結果であることを忘れてはならないと思う。 クリントン時代にイスラエルとパレスチナとの間に和平の機運が醸成されつつあったのを、ブッシュによるぶちこわし政策の結果、パレスチナの人々とそれを支援する人々を、自爆テロという方法を選択する窮地に追い込んで行ったのだと思えてならない。
「現地の平和のため」という大義名分を掲げて、もの凄い税金を使って自衛隊を派遣し、そのために、現地に「米国の手先」のように見られる結果を招き、そして地道な活動を続けていたNGOが活動できなくさせてしまったのだと思う。 こう考えると本当にやりきれない気持ちになる。
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