8月15日は毎年いろいろ一人で思い悩む日である。この時期はいつもNHKが最も力を入れてドキュメンタリーを作って放映してくれていると思う。本当に貴重な証言の数々に、観ていて胸の苦しさを覚えてしまう。軍隊という組織の病理と大本営という組織の病理の陰で多くの兵士が命を落としていった構造が非常に良く分かるドキュメントもあった。自国の兵士の命を非常に粗末に扱った軍隊とその元締めとしての大本営、こんな国家に未来も希望もないのは明らかである。無残な棄兵の結果として「犬死に」を強いた責任を逃れるために、「玉砕」という言葉を使って嘘の報告書をでっち上げた大本営の中枢を担った人達。若くして死んでいった多くの人々のことを思うと、本当に表現する言葉を失う。
この国の悲劇は、戦前の軍国主義を担った人達と同じグループの人達が戦後もこの国の政治を牛耳ってきたことだ。戦前と戦後の政治が完全に切れて、戦後の再スタートがあったドイツと大違いである。いまだに靖国神社に政治家が参拝する姿は異常としか言いようがない。昨年の政権交代はこの点で初めての転換だったと思いたい。けれど、民主党の中には自民党の一部の人達よりももっと「右より」の人達がいるようで、何とも言いようがない。せめて菅総理大臣には、狭隘な軍国主義や民族主義とは無縁の政治を期待したい。
炎天下の墓地へ「お墓参り」に行ってきた。狭い墓所だけれども雑草がビッシリと生い茂っていて、汗だくになりながら草むしりをした。
この様なお墓が自分には必要とは思えない。どこかの木の根方に灰をまいてくれたら良いと思う。自分はB型肝炎のキャリアであるために、必要とする人に臓器を提供することもできないし、献血することもできない。ならば、その灰くらいは地球の肥やしになれれば…と思う。
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