例によって、随分時間がかかったけれど、やっと『天地明察』を読了した。本屋大賞を受賞した歴史小説で、国の暦を完全に変更するために、科学的な根拠に基づきつつ、様々な利害や面子に配慮しながら、悪戦苦闘する主人公とそれを周りで支える人達のドラマと言えるだろう。読みごたえのある小説だった。大河ドラマを観るように、主人公の生涯が綴られていた。
主人公その人については全く知識がなかったけれど、周辺に登場する人達の中にきら星のような歴史上の有名人が沢山いて、彼らを主人公にしたお話にはきっと出てこないであろう種類のお話を沢山知る事が出来た!
和算の創設者?関孝和の名前は知ったけれど、その天才振りと人物像は初めて知る事ができた。
ただ一人、先頭にいて誰にもその考えていることが伝わらない苛立ちや不安等、天才故の苦悩があることも、「なるほど…!」と思わせられた。凡人の僕なんかにはおよそ直面出来ない悩みと言える。
日本全国を大きな荷物を運んで、徒歩で渡り歩いて「天測する」ことを想像するだけで途方もない年月を要する取り組みであることがわかる。
江戸時代、暦に関することは、天皇と神道の守備範囲であったこと、これに科学的知見で挑戦した主人公の失敗と成功の軌跡、なかなか面白い読み物だった!
12月も半ばを過ぎてしまった。昨日は札幌で仕事があり、一面銀世界の空港で飛行機を待つ時間にこれを書いている。
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