大阪梅田にある映画館で『一枚のハガキ』という映画を観た。小さなホールで、高齢者がほとんんどだったけれど、立ち見客まで出る盛況だった。8月15日という日に観るのに相応しい映画だった。新藤兼人監督99歳の作品だという。僕は新藤兼人監督と言えば、「常に乙羽信子が出演していて、何か意味の分からない部分の多い映画を多く作っている監督」という印象をずっと持っていた。ところが、今回の映画はとても分かりやすい映画だった。戦争にまつわる男女、家族の悲劇については本当に多くの映画が作られている。『ひまわり』がその代表の一作だと思う。『ひまわり』は本当にズッシリと重い映画だった。 ところが今回の映画は、深刻なストーリーであるにも関わらず、途中で客席から笑い声が出る場面もあり、どこか戯画化されたユーモアがあって、不思議な余韻の残るものであった。これは何か新藤監督の新境地を開く映画と言えるものなのだろうか。でも新藤監督は、これを最後の映画作りと言っているらしい。99歳でも現役で仕事をしていること自体に脱帽である。
過日食中毒で2日間絶食し、徐々に普通食へと時間をかけて食事をコントロールしたが、そのおかげで3㎏減量でき、ダイエットに成功した!(^_^) しかし既にまた2㎏「回復」している(+_+)。
この間、小松左京が亡くなった。僕は『日本沈没』しか読んだことがない。(昔僕が不思議だったのは、小松左京と高橋和巳がとても親しかったらしいということだった。僕は昔、当時の若者の多くがそうだったように、高橋和巳の本はほとんど読んだ。京大つながりとは言え、その作風や発言は、小松左京のそれとはあまりにも違うように思えた。後に高橋たか子の著作を読んで、高橋和巳の作品からは想像できない人柄の一端に触れて失望したことを思い出すが…、)今回の東日本大震災という未曾有の出来事を予言するような内容だったと言えるだろう。人は皆死ぬという事実に首うなだれるしかない。
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