新藤兼人監督が亡くなった。このブログで、去年のお盆に観た『一枚のハガキ』の感想を書いた際に新藤監督のことについてふれた。100歳まで現役で過ごされ、多くの人に感動を与える映画を作って、旅立って行かれた。願ったからと言って誰にでも出来る生き方ではなく、天から与えられた賜物を使い尽くして、正に天寿を全うされたということだろう。 天寿には個人差が大きいようだ。不公平でもあるが…(*_*)
新藤監督より1、2歳若かった音楽評論家吉田秀和さんもつい先日亡くなられた。昨日の新聞にも吉田さんの多くの著作の紹介がされていた。僕は音楽そのものについて門外漢だし、おまけに音楽評論等ついぞ読んだことも無いので何かを言えるわけではない。ただ、先日堀江敏幸という40歳台の作家が、吉田さんへの追悼の文章を朝日新聞に書いておられて、まるで愛妻か、恋人を亡くしたように書かれていることに驚嘆させられた。この様に他者から敬愛される音楽評論家とは一体どういう人だったのだろうと、好奇心が湧いてきた。いつかその著作を一つでも読んでみようと思う。
新藤兼人、吉田秀和という、人生の最晩年まで現役であり続けたお二人の死に方には、多くの学ぶべきものがあるように思うし、憧れさえ感じてしまう。
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