少年法の厳罰化を目指す改訂がなされたという。TBSラジオの番組で視聴者へのアンケートをしていたが、70%を超える人が賛成し、反対は30%弱だったという。
僕はこれには反対だ。理由はいくつかある。
①少年事件は増えていないし、凶悪化もしていない。殺人事件なんかは、僕が少年だった40年以上前の方が桁違いに多かった。(犯罪白書を見れば一目瞭然!)にもかかわらず、事実と異なる「近年増加する少年事件」とか、「凶悪化する少年事件」等と、枕詞のように少年事件が語られる事には、何らかの意図を感じてしまう。マスコミの責任も大きい。
②罪を犯した少年には単純に分けると2種類の少年たちがいると考えられる。それは、きちんと罰を与えられることで反省し、二度と罪を犯さない少年たちと、繰り返してしまう少年たちである。少年事件の再犯率は大体20%前後であり、80%前後の少年たちは1回の過ちで通過していく少年たちである。この多数の少年達に対しては、きちんと罰を与え叱ることが大切であり、この部分については、現行の少年司法のシステムがうまく機能しているように見受けられる。
③問題は、叱られても、罰を与えられても繰り返してしまう少年達である。この中には、暴力団など、反社会的集団に所属したり、その集団に親和性を持つ少年達と、病理的で常識では理解しがたい種類の犯罪を犯す少年達が含まれる。前者は、大人の反社会的集団の根絶が出来ない私たち大人が作っているこの国の病理そのものを解決しない限り無くならない種類の少年犯罪である。後者は、罰するだけではほとんど効果はなく、治療的なきめの細かい取り組みが不可欠な少年達である。(つづく)
このところ、疲れている。重たいことが続くからか。
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