僕はアメリカを好きにはなれない。けれど行ってみると広大な大地と、底抜けに明るい人々に惹かれる自分が居て、困ったモノだと思う。
ミネアポリスはなんだか不思議な街だった。ミネソタ州の中心地の一つで、ミシシッピ川をはさんでセントポールという町と向き合っていて、双子の町=ツインシティと呼ばれている。MLBのチーム名もミネソタツインズという。
僕は5月の連休を使って連れてもらったのだけれど、着いた日は雪が降っていて、朝起きるとホテルの周辺は雪景色だった。アメリカの冷蔵庫と呼ばれるくらい冬は寒く、暖かい季節は短いそうだ。町の中心地は高いビルが林立していて、大都会の風景だけれど、ビックリしたのは、ダウンタウンのビル群を囲むように駐車場のビルが建ち並び、駐車場から各ビルへ直接徒歩で入れるようになっていて、ほとんど全てのビルが2階部分で「スカイウオーク」というブリッジでつながっていることである。冬場は寒くてとても外を歩けないので、この2階の通路を通って目的のビルへ行けるというシステムになっている。だからこの通路を歩いていくと、ホテルや銀行や各種企業のビルの中をそのまま歩いて行けるわけで、とても不思議な感覚にとらわれたことを思い出す。朝の出勤時間帯をながめていると、駐車場ビルからやって来た人たちが、この通路沿いにあるファストフードの店やカフェでコーラやコーヒーやハンバーガーを買って、片手にビジネスバッグ、片手にでかい飲料の紙カップを持ってスタスタと歩く姿が印象的だった。
広大な敷地のミネソタ大学は、ミシシッピ川をはさんで東西にキャンパスが分散していて、川を渡るために屋根付きの橋があり、学生達は自転車で行き来していた。生徒数1700人という公立高校は、全ての校舎が地下道で結ばれていて、これも冬場は外を歩くことが難しいからということだった。
モールオブアメリカという全米1(と人が言っていた!?)の規模を誇るショッピングモールが町外れにあって、これも屋内遊園地を備えたモールで、冬場対策なしにこの街は成り立たないのだろうと思われた。
レンタカーを借りて、北へ北へと行ってみた。カナダ国境まで行けないかと思ったけれど、日本の都道府県の感覚でアメリカの州を考えてはいけないということを痛感させられた。小さな街の本屋さんに入ったら、スターバックスが併設されていた。この寒い地域には主としてノルウエー等の北欧からの人々が入植したらしく、やはり寒い国からやって来た人たちが住み着いたんだなあと実感させられた。田舎町の小さなレストランに入ってみた。西部劇に出てくるような出入り口…なんと言うのか…身体で押して通ると、バタンバタンとバネでドア?が開いたり閉まったりするシステムのドアを通って入ると、数人の客が居て、それが皆老人で、じっとしている人や、ぼんやりしている人たちで、若いウエイトレスがやたらに目立っていた。そこはミネアポリスと違って、活気のない、場末の、侘びしい街だった。そこにもスタバがあった!!!
ミネアポリスの街中の、ディンキータウンという若者の街?へも行った。ジャズの生バンドを聴きながら、ザワザワとしたビアホールでビールを飲んだ。「飽食の国」をここでも実感させられた。
コメント