波照間島
僕が波照間島へ行ったのは4年前? 石垣島へ行ったついでに天気が良かったので、高速艇を利用して石垣島からの日帰り旅行だった。戻らねばならない日が決まっていたので、泊まる勇気がなかった。青ヶ島の失敗を思うと無理は出来ないと思い、慎重にその日の内に石垣島へ戻った。今思えば、一泊でもするべきだったと悔やんでいる。
石垣島から高速艇で約1時間。波の上を何度もバウンドしながら、まさに飛ぶように進む船だった。港について、自転車を借りて、さて、どちらへ行くかと思いつつ、島を左回りで一周するつもりで走り出した。左周りと言うことは、最初に右の方へ進路をとって、急な坂を南へ下り、島の南側を東の方へ進むルートだった。これは、最初の急な下り坂が、炎天下のもと、風を切って走るのがとても気持ちよさそうだったので、サトウキビ畑の中を一気に下っていった。後から考えると愚かなことだったのだけれど、一気に下った分を元の位置に戻るためには当然同じだけを登らねばならないわけで、ダラダラダラダラと続く坂道をずっと登るはめになった。前からは逆コースで走る人たちが次々とやってきて、とても気持ちよさそうに挨拶を交わしてすれ違うのだけれど、僕は汗だくで一生懸命ペダルを踏んだ。後にも前にも僕と同じ方向で走る人の姿はなくて、情けない気分になった。日本最南端の碑が立つ岬に到着し、一息入れて、またそこから、北北東から北の方へ進んだが、咽がカラカラで、倒れるのではないかと思われるくらい汗をかいた(>_<)
やっとの思いで飛行場に着いて、自動販売機を初めて見つけて、冷たいお茶をゴクゴクと飲んで生き返った思いがした。(一泊して途中にあった天文台で星空を見てみたかった!!)西へ向かって集落を通り、青空食堂という店でお昼を食べた。
午後は西浜に座って若い人たちの、泳いだり、シュノーケルをして楽しむ姿をながめ、集落の中をブラブラして過ごした。
サトウキビ畑、ギラギラする太陽、最南端の岬と断崖に打ち寄せる波、のんびりとした時間。夜はきっと満天の星だったろう。首筋から腕が瞬く間に真っ赤に日焼けした。
もうほとんど台湾やフィリピンの方が近いように思われる地理的条件。沖縄本島から約440㎞も離れているらしい石垣島から、さらに遠く離れたこの島にいると、日本列島は遙か北東の方向に連なっていて、日本という国を離れた位置から観察することが出来そうだ。この次はさらに台湾に近い与那国島へ行ってみたいと思う。
東京なんかにいると、この国は東北と南西の両方に広がっていて、自分たちはそのほぼ真ん中に住んでいるという感覚で日本地図を思い描いているけれど、離島に来ると、その感覚が全く違う。今年亡くなった小田実が、鳥瞰図ではなく「虫瞰図」的にこの国を見ていると昔言っていたけれど、その視点の大切さを改めて思わせられた。
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