知的障がい者グループホームでの宿直
僕は1~2ヶ月に1度、知的障がい者のグループホームで宿直のボランティアをさせてもらっている。
勤務時間は、午後9時半頃にホームに行って、夜10時まで勤務される担当者から引継ぎをして、翌朝9時半頃までである。主たる業務は、利用者の皆さん(4人の知的障がいのある方々)が各人の部屋に引き上げられる時間(大体夜11時頃)まで、一緒にお茶を飲んだり「おしゃべり」(スムーズに話せない人もおられるので、ゆっくりと時間を掛けて耳を傾けて聴くことが必要)をしたり、「歯磨きをしましょうか」とか「ぼちぼち寝ましょうか」等々と声掛けをしたり、翌朝の利用者さんの予定を確認したりして過ごす。10時まで勤務の方が、入浴のお手伝いや、洗濯や、投薬や、その他介助の必要なことは大体やっていて下さるので、自分はわりとゆったりと過ごすことが出来る。
皆さんがぐっすり眠られる時は、特に問題もなく朝6時半頃まで眠ることが出来る。一方、利用者さんの心身の状態が良くない時は、ほとんど眠れない日もある。
通常は、朝6時半頃に起きて、皆さんの朝食の準備をする。冷蔵庫を開けて、食材を確認して5人分の朝食を作って、三々五々起きてこられる利用者さんと一緒に朝食を食べる。朝、なかなか起きられない利用者さんには何度も部屋の前に行って、「朝ですよ!」「起きましょう!」「遅刻しますよ!」としつこく起こさねばならない日もある。
朝食後、皆さんは出勤の準備をされて、平日は、大体9時半頃までに利用者さん達は通所施設へ出勤される。僕は日誌を付けたり、夜間の様子で引き継ぐべき事を記録し、場合によっては口頭でも施設に報告をして勤務を終える。
知的障がい者が、地域社会と関わりを持って生きていくためには、グループホームは不可欠な制度だと思う。ただ、そこで働く人たちの待遇があまりにも貧弱である。知的障がい者のグループホームでの世話人の仕事には、ソーシャルワークの視点を持ったケアワークが不可欠だと思う。ケアワークだけで成り立つ仕事ではないと僕は思っている。この事は別途考えてみたいと思うが、それに見合った待遇で雇えていないのが現状である。
グループホームでの世話人の労働が、労働の質に見合った待遇になっていないと思えてならない。