いつの時代にも、「何かが狂っている」と思われることはきっとあったと思う。この時代だけのことではないと思う。
でも何かが狂っていると思えて仕方がない。
穀物や、石油や、水など、人間がこの地上で生きていく上で不可欠と思われるものが投機の対象になっている。世界を巡る「あり余るお金」が行き場を求めて右往左往し、そのために食料やエネルギーの価格が高騰し、貧しい人たちは生きていくための最低限の水や食料さえ手に入らず、健康と生命を奪われていく。
何かが狂っている。動物とは異なる、人間として維持すべき最低限のモラルもどこかへ脱ぎ捨てて、金儲けのためには何をしても許されるのだろうか。それをビジネスと言うのだろうか。
道路が必要だ、空港が必要だと言って、支出先を特定した財源が何十兆円とあるらしい。道路や空港や港湾設備など、それ自体が必要と言うよりも、そのための公共工事が必要なのだということは誰もが知っていることなのに、いつまでもこの様に、工事のための工事を続けて一体どうするのだろうか。
一方で、「後期高齢者」の医療保険制度を別立てにして、その保険料を年金から天引きしたり、重度障害者の医療費補助を中止したり、全労働者の三分の一が非正規雇用によって占められるようになったり、格差がどんどん拡大して若者に希望を持てない社会をつくりつつあるこの国の進もうとしている方向は、やっぱり根本的に変だと思う。
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