今年の年の瀬は、約80年前の“大恐慌”を思い出させる雰囲気が世の中全体に広がってきている。トヨタに代表される大企業が、1、2ヶ月という短期間に、一気に経営が危ぶまれる状況に直面するとは、少し前まではほとんどの人が想像も出来なかったのではないだろうか。突然解雇され、住む家も追い出される人たちの存在がこんなに表面化するなんて、凡人の自分は想像もしていなかった。
元はといえば、米国発のネオコンたちが引き起こした、弱肉強食原理に基づくバブル経済の象徴たる金融業の破綻から始まり、今ではモノを作っても売れなくなり、誰もお金を使えなくなり、多くの企業が倒産の危機に直面し、失業者があふれ、世界中が暗雲に覆われた状況に立ち至っているように見受けられる。
約80年前の大恐慌の後には、専制君主のようなリーダーが現れ、世界大戦へと突き進んでいった。歴史から学ぶなら、現状は、経済的にも政治的にも、本当に危機的な状況と言えるだろう。8年前に米国でブッシュが大統領に選ばれた時から、この“結末”は用意されていたのかも知れない。
さて、この様な状況で、我々の国のことを考えると、戦後の総理大臣の中で、森喜郎と1、2を争う凡庸な人物が現在の総理大臣であるというから笑ってしまう。やることなすこと先を見通せない行き当たりばったりの政権運営に誰もが辟易しているのではないだろうか! 本当に人材が払底しているのだろうか(-_-;) 既述のように、とんでもない「リーダー」を選ぶことの無いように重々用心もしなければならないが、また、党利党略、私利私略だけの人たちを選ぶことの無いように注意もしたいと思う。
国会議員を大幅に減らし、様々な職業・職種の代表が議員となり、徹底した議論と妥協によって中庸の「大人」の政治が展開されることを願いたいと思う。昔、スウェーデンの国会を見学し、議員からお話を聞いた時のあの「清涼感」は本当に不思議な感覚だった。この国では無理かも知れないけれど、米国追随だけの独自性の乏しい政治がこれからも延々と続くのかと思うだけでウンザリしてしまう。
クリスマスイヴの夜、少しは希望につながる夢を見たいのだけれど…。
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