自分が関わる法人で、昨年8月から“さぬきうどん”のお店を開店した。席数16の小さな店であり、午前11時半から午後2時半の3時間の営業である。知的障害のある利用者と支援職員が力を合わせて麺を作り、お客様に食べていただいている。利用者の工賃を少しでもあげることを目標に頑張っている。徐々にお客が増え、売り上げも伸びている。先々週の金曜日に43食を販売し、新記録になった。3時間の営業時間内で食べてもらえる数の限界かも知れない。
僕もかなりの回数“ぶっかけうどんとかやくご飯付”を食べた。正直なところ実に美味しい。職員が讃岐まで出かけて“勉強”してきただけのことはある。
神奈川県内の知的障害者施設で、60歳代の職員(非正規)が女性の利用者にわいせつ行為を行い、これが発覚し、その後自殺するという事件が起きた。
知的障害福祉の分野が、主婦のパート労働と、一般の企業を退職して転職して来た男性の非正規職員という多くの非専門的な職員によって担われつつあるという現状を何とかしないと、この種の事件は後を絶たないのではないかと思えてならない。多くの非専門職によって担われている生活支援の現場が、 同時に“一人職場”になる場面も多いという状況にあり、この様な環境がこの種の事件を生む背景にあって、この環境を変えることをしない限りはこれからも被害者が出ると思えてならない。
子どもや知的障害者は自分で自分の権利を守る力が相対的に弱い人たちであって、だからこの人たちと関わる職員には通常以上の専門性(専門知識、専門技術、専門的価値観・倫理観を持っていること)が要求されることが当然であるのに、実際はその様な人を雇えない実情がある。まず、専門職が一定数以上必要であり、かつどの様な場面でも複数で働くことを最低条件にするべきだと強く訴えたい。
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