散歩
良く看護婦さんに連れられて、天気の良い日は皆と散歩に出かけた。一台のストレッチャーに、歩けない子たちを乗せて、その前や後ろを皆で押したり引いたりしながら、病院の敷地内をガラガラといわせながら歩いた。5階の小児科病棟から地階へ降りて、そこから地下道のスロープを通って地上へ出た。地下道のスロープは僕らには何だか怖かったように思う。
敷地内の所々にクローバーが沢山出来ている所があって、そこに歩けない子らも下ろしてもらって、日向ぼっこをした。四つ葉のクローバーを探すのに必死で、その時見つけた四つ葉のクローバーがその後永く僕の辞書なんかに挟んであった。
子ども同士で、何か連帯感のようなものがあったように思う。お互いの病気のことは良く知っていて、助け合ってもいた。3歳や4歳という幼児から中学生まで、中学生は僕たち小学生からはもう立派に大人に見えた。
「しいのみ学園」という九州にあった(今もある?)障害児施設の歌の替え歌を作って皆で歌ったりした。シリアスな病気を抱えながら、ほのぼのとした時間を共有もした。
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