勉強
僕たちは学齢期だったけれど、皆長期にわたって入院していたので、学校の勉強がほとんど出来ていなかった。今ならきっと、病弱児の特別支援学校の分校のようなものがあるのだろうが、当時はそんなものはなくて、多分就学猶予とか免除の手続きをしているか、あるいは単に長欠児として扱われていたのだろうと思う。
週に2回くらい、病棟の東端の半円形に作られた部屋で、(…その部屋から、“省線”や、私鉄の電車が見えたので、よくぼんやり外を眺めて過ごした…。その時はどんな思いだったのだろうか、明確には覚えていないけれど、良くぼんやり眺めていたのは良く覚えている…)外から先生が来られて、絵を描いたり工作のようなものをしたことを思い出す。他は看護婦さんから教科書を使って教えてもらったことが少しあるかなあというくらいで、ほとんど記憶にない。
学校に戻ってからもらった通知表には、「長期欠席のため成績つけられず」と書いてあった。
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