原田正純さんが亡くなった。
水俣病という、チッソ水俣工場が引き起こした水銀中毒によるとんでもない被害の実情を、被害者の側に寄り添って究明し続けた稀有な人だった。企業が引き起こし、白を黒と言い続け、行政と政治がこれをサポートして隠ぺいし続けた水俣病の実情を多くの人に知らしめることに多大の貢献をされた。水俣病は、旧自民党政権時代の典型的な「公害事犯」であり、考えるだけでやりきれない気分にさせられる。いまだ完全な解決に至っていない。
九州一円で被害者の出たPCBによるカネミ油症(カネミ倉庫)や、神通川流域で発生したカドミウムによるイタイイタイ病(三井金属鉱業)や、阿賀野川水系の有機水銀による第二水俣病(昭和電工)等々、経済活動を最優先して自然と人間や動植物の生命を犠牲にして邁進した時代の負の歴史に共通する病理に、原田さんは立ち向かわれた方だったと思う。
福島原発の一連の問題も、これらの病理と共通するものがあるように思えてならない。
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